2月15日に「沈黙」初日をむかえ、昨日は自分の出演日。
なんとか無事(?)新国立劇場デビューいたしました。
自分が新国の舞台にのせて頂けるとは、、、夢にも思ってもいませんでした。
とにかくこの「沈黙」というオペラにのせて頂けたこと、
このオペラに出会えたことに心から感謝しています。
遠藤さんの原作、松村さんの台本と音楽はもちろん、
下野マエストロ、演出の宮田さん、全てのスタッフさん、合唱のみなさん、
そして共演者のみなさんから沢山のことを学びました。
私が歌う“少年”は、原作には出てきません。
歌うところも少なく、いわゆる脇役です。
でも、作曲家の松村さんはなぜこの役をあえて作り作曲したのか、、、
私の勝手な考えですが、何か大切なものを感じて稽古してきました。
この「沈黙」を作曲するのに、松村さんがかけた月日は13年間、、、
割合としては、少年役にかけた時間は少ないかもしれませんが、
きっと数十時間、、、いや数年かかっているかもしれません。
少年役が歌うところは3か所で、トータルできっと2分くらいだと思います。
でもその2分を歌い演じるために、一体どれだけ時間がかかったことか、、、
松村さんはもっともっと、比べものにならないくらい大変だったに違いありません。
とはいえ、時間をかけたから偉い訳でもなく、
答えが出たかと問われれば、、、正直出ていません。
この少年役は“純粋・ピュア”“まっすぐ”といった形容詞が思いつきますが、
もっと深いところに色んなものを持っている、、、そんな気がします。
そんな少年がこの舞台に存在することで、
トモギ村の人々の素直な気持ちや弱さ・強さ、
うまく言葉に表せない何かがお伝えできればいいなと思っています。
もう主要ソリストのみなさんがとにかく素晴らしいので、
どうぞ存分に沈黙の世界にどっぷりひたってください。
というのも、出番は少なくとも脇を固めて下さっている
大先輩歌手のみなさまが本当にすごい!!!すばらしすぎる!!!!!!
じさまの大久保さん、役人の峰さん、チョウキチの加茂下さん、老人の大久保さん。
その何気なく歌い演じることがどれだけ難しいことか。。。
決して目立たないのにしっかり役割を果たし、情景をくっきりと表現する。
才能だけではない、もちろんご努力もあると思いますが、
長年の経験と、あとそのお人柄でしょうか、、、
それらが全てを語ってくれているように思います。
そして忘れてはいけないのが、合唱の存在‼
松村さんが合唱に作曲された色んな役割を見事に歌い演じきっています。
台詞はもちろん、聖歌や心の叫び、天の声(?)など、まるで声の3Dのようです♪
合唱の中には先輩や後輩、一緒に働いてきた仲間が沢山いて、
それだけで心強く沢山支えて頂きました。本当にありがとうございます。
もちろん舞台も衣裳もヘアメイクも照明も、そして演出部も全てすばらしく、
下野さん率いる東京交響楽団のみなさん、ジュニア合唱も本当にすばらしい!!!
明日ご来場下さるお客様、どうぞ楽しみになさっていてください。
今回のこの貴重な経験を今後の歌人生の糧とし、また精進していきたいと心に誓いました‼
その前に明日の楽日、色んな思いを胸にがんばります‼!!!!
ありがたいことに明日も完売とのこと。本当にありがたいです。。。
短いながらも必死に生きたトモギ村での少年の短い人生を生き抜いてきます(^^)