もうすでに3週間以上が過ぎてしまいましたが…
先月は二期会公演『ばらの騎士』に沢山の方々にお越し頂きまして、本当に本当にありがとうございました。すぐにご挨拶したかったのですが、終演後蝉の抜け殻のようになってしまい、そんな中次の公演に追われ今頃となってしまいました(稽古場に行くと動けるのはもはや職業病)。これから少しずつお返事させて頂きます…本当にすみません。
いつも思う事ですが、今回の舞台は本当に全ての皆さんが主役でした。そして、皆さんのお陰で私はオクタヴィアンに見えていたのだと、共演者の皆さん、音楽・演出スタッフ、衣裳さん、ヘアメイクさん、オーケストラ、関係者の全ての皆様に心から感謝しています。
本公演は二期会創立65周年記念でした…
私は、あの演出家・栗山先生との人生初のお稽古の際、浅はかな私を見抜いてか『お前さんは、お前さんの先輩方がオペラをやる為にどれだけの苦労と努力をしてきたか全くわかっていない』と私に仰った事を未だに忘れられません。確かに、創立時中心となった4人の大先輩方は、65年後、日本でこのようにオペラが愛される日が来ると思っていたのでしょうか…もしや、もっと上を目指していらしたかもしれませんが、日本文化ではないオペラがここまで来れた事は私は凄い事だと思います。私が口にするのはおこがましいのですが、藤原歌劇団の存在も計り知れません。音楽、オペラにはそれだけの魅力とエネルギーがある事は勿論なのですが、歌い手だけではない、機会を作り与えて下さった方々、評論家の方々、見守り続けて下さったお客様方、国内・海外で何とか気付かせようと教えて下さった音楽家・指導者の方々…関わった全ての人の愛情が今日に繋がっているように感じます。
今後、数年後、数十年後、クラシック音楽界がどうなっているのか全く想像できませんが、私はただひたすら、頑張り方を間違っていようが(苦笑)、一つ一つ精一杯歌っていたきたいと思います。聞いて下さる方お一人だけでも喜んで頂けるように…。
こんな私をいつも奮い立たせてくれるのは、いつも真摯に音楽に歌に向き合っている仲間達の存在、そして、見離さずに変わらず劇場へ足を運び応援して下さるお客様方のおかげです…
心から本当にありがとうございます。
小林由佳